2021September

 

 
 
緊急事態が延長され各企業は延々とリモートワークのせいか駅も閑散としている。日本橋保存会が平成21年に設置した17メートルにも渡る貴重な絵巻物「き代勝覧」の複製。文化2年(1805年)頃の日本橋から今川橋までを克明に描いた原画はベルリン国立アジア美術館に所蔵されているとか。普段は人でごった返して見られない貴重な機会、誰も居ない美術館の様。

 

 
 

上野駅構内に展開されている「台東区長賞」作品の数々、東京芸術大学の優秀な卒業・修了作品に与えられる賞とか。パリでもサンジェルマン・デ・プレ駅の構内は文学者やアーティストなど、サンジェルマンにちなんだ展示が興味深いプチギャラリー。

 

 
 
国立科学博物館前に聳えるように設置された巨大なシロナガスクジラのオブジェ。子供心にそのあまりの大きさに怯えていたけれど今見てもやっぱり巨大・・・。芦原義信氏設計による本館も懐かしく、地球の自転現象を示す演示実験「レオン・フーコーの振り子」も健在。パリでフーコーが1851年に公開実験を行ったパンテオンの近くに住むようになり「あ、あの時の!」と夏休みの記憶が蘇った思い出。

 

   
 
 
「植物展ー地球を支える仲間たち」を見る。デザイナーを職業としている私にとって、「自然が作りだす形に敵うデザインは無い」、という結論めいた気持ちの昨今、夏休みの子供達に交じって久しぶりに夢中になって見る。

 

 
 
子供の頃、夢中になっていた顕微鏡。父と一緒に作った数々のプレパラートを覗いた時の驚きと感激は今も忘れない。アクリルの展示にプレパラートと言う懐かしいボキャブラリーを思い出す。

 

 
 
食虫植物のえもいわれぬ不思議な形と色彩、その生体の神秘。まるで「グラフィックデザイナーが描いた幻の植物」の様だけれど、「生きています!」の注意書き通りホンモノであり、そしてよく見ると微かに動いている・・・、怖い!

 

 
 
子供の頃から「木の実」には人一倍愛着があった。その形の面白さと可愛らしさはアクセサリー作りが大好きだった子供の私にとって、数少ない素材だった。どんぐりや松ぼっくりは今でも見かけるとつい拾ってしまう。ボンドで金具を付けたイヤリングは母のお気に入りだった嬉しい思い出が蘇る。

 

 

 
 
 
最後のブースはやはり今時、バイオテクノロジーの実験展示。自然の土や太陽の光を知らずに育つレタスに一抹の不安や悲しさを感じるのは私だけだろうか?全て人工的に作られた野菜を食べる未来の生活を考える。

 

 

   
 
 
東京オリンピックのスタジアムの設計でほとんどの日本人が知る建築家、隈研吾氏の展覧会「新しい公共性を作るための猫の5原則」を見に竹橋の近代美術館に出向く。招待券を持っていても予約はいっぱい、当日券の列に並び、更にそのままは入れず指定された時間に再び戻って来て初めて入館・・・、と言う異例の混み方。

 

 
 
 
expo index 隈建築の中から公共性の高い68件それぞれに隈氏自身による作品解説がついている。「公共性」といっても新築の庁舎のような大きな公共建築からリノベーションした居酒屋まで、「孔」「粒子」「ななめ」「やわらかい」「時間」という氏の考える5原則によって分類されて紹介されている。じっくり見たいと思ってもとにかく会場は人でいっぱい。コロナの感染症防止のため入場制限をしても子の混み方、通常であれば人垣を見るだけになったかも知れない・・・。 page top

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